どうも、サラリーマンこあらです。
必要証拠金って、FXトレードをする上ではすごく基本的な話だと思うんですが、ネットで調べてみても、分かるような分からないような・・・。
ということで、色々と調べてみて、可能な限り分かりやすく、まとめてみました。
証拠金とは何か
「必要証拠金」の話をする前に、まずは「証拠金」について。
証拠金とは
- FXトレードをするために、FX会社に預け入れておく資金のこと
証拠金について、最も簡潔に、かつ分かりやすく説明するとしたら、上記のような説明になると思います。
ではもう少し具体的に。
FXトレードがしたい!!
そう思ったとき、FX会社は、タダでFXトレードをやらせてくれるわけではありません。
「FXトレードがやりたいなら、私の会社に、FXトレードをするための資金を入れておく口座を開設してください。そして、その口座に、資金を預け入れておいてください。」
きっと、こう言われるはず。
そして言われたとおりに、私たちは、口座にFXトレードをするための資金を振り込みます。
ここで出てきた「資金」こそ、「証拠金」と呼ばれるもの。
私たちは、この預け入れした「資金(証拠金)」を使って、FXトレードを行います。
FXトレードが「外国為替証拠金取引」と呼ばれている理由は、この預け入れした「資金(証拠金)」を使用して行われる「取引」だからです。
必要証拠金とは何か
では次に、「必要」証拠金とは、いったい何なのか?
これは、簡単に言うと、
「その金額のFXトレードを行うのであれば、最低でもこれくらいの証拠金は預け入れしておく必要があります」
という、必要最低限の証拠金を表しています。
必要証拠金とは
- 希望する大きさの金額でFXトレードをするために必要となる、最低限の証拠金のこと
ちょっと分かりにくいので、具体的に例を挙げて考えてみましょう。
必要証拠金を考えてみる
仮に、株式投資を行う場合。
100万円分の株を買うために必要となる最低限の資金は「100万円」ですよね。
これはとっても当たり前な話です。
ではFXトレードの場合はどうか。
FXトレードで100万円分のドルを買ったり売ったりするためには、いくらの資金(証拠金)が必要になると思いますか?
株式投資と同じく100万円?
違いますよね。
FXトレードの場合は、もっと少ない資金(証拠金)で、100万円分のドルを買ったり売ったりすることができます。
それはなぜかというと、「レバレッジ」があるから。
レバレッジとは
- FXトレードの場合、少ない資金(証拠金)でも、レバレッジと呼ばれる倍率を使うことで、資金(証拠金)の何倍ものトレードが可能
- 日本の場合、倍率は最大でも「25倍」
仮に、FXトレードで100万円のドルを買ったり売ったりしたい場合、普通に考えると100万円の資金(証拠金)が必要になります。
でも、レバレッジ25倍のFX会社を利用して、レバレッジを活用した場合、最低限必要となる資金(証拠金)はいくらになるかというと・・・
- 1,000,000円÷25倍=40,000円
「4万円」になるわけです。
これは、言い換えれば、最低でも4万円の資金(証拠金)さえあれば、レバレッジ25倍を活用して、100万円分のドルを買ったり売ったりすることができる、ということです。
というわけで、この場合の必要証拠金は「4万円」となります。
必要証拠金の計算方法は
では、必要証拠金はどのように計算するのか?
必要証拠金を算出するために使用する計算式は以下のとおりです。
「現在のレート」とは
現在の為替相場の金額(その通貨の価値)になります。
例えば、ドル円相場で1ドルが110円50銭だった場合は、「110円50銭」の部分が当てはまります。
「取引枚数」とは
FXトレードで注文を出すときに利用する取引数量のことで、「枚数」や「lot」という単位を用います。
この単位の中には一定の通貨数量が含まれており、含まれている通貨数量は、会社によって異なっています。
そのため、単純に「10枚で買い注文を出した」と言っても、どのくらいの大きさのトレードをしているのかは分かりません。(通貨数量については下記を参照。)
「通貨数量」とは
これは、FX会社ごとに決められている1枚(1lot)あたりの通貨数量です。
「取引数量」のところでも書きましたが、FX会社ごとに1枚(1lot)あたりの通貨数量は異なっています。
そのため、FXトレードを始める前に確認が必要となります。
日本のFX会社だと1枚(1lot)あたり「10,000通貨」というのをよく見ます。
その他に少額資金でもトレードできるように1枚(1lot)あたり「1,000通貨」としているところもありますし、海外のFX会社であれば、1枚(1lot)あたり「100,000通貨」という設定のところも多いです。
設定レバレッジ倍数とは
これは、自分が利用しているFX会社で使うことができるレバレッジ倍数のことです。
日本のFX会社であれば、レバレッジ規制により「25倍」が上限となっているため、ここに入る数字は「25倍」となります。
他にも、海外のFX会社であれば、レバレッジ倍数が「500倍」というところもあります。
必要証拠金の計算まとめ
必要証拠金の計算例
では、具体的な条件を設定して、実際に必要証拠金を計算してみましょう。
必要証拠金の例題1
条件設定
- 1ドル=110円50銭
- 取引数量=10枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=25倍
まず最初に、どれくらいの大きさの金額をトレードしているのか、計算してみましょう。
トレードしている金額を計算するための計算式は、
- 現在のレート×(取引数量×通貨数量)
より、
- 110.500円×(10枚×10,000通貨)
となり、答えは「11,050,000円」です。
つまり、この場合は「1,105万円」という大きさの金額をトレードしていることになります。
では、この「11,050,000円」分のトレードを行うためには、最低限どれくらい証拠金が必要なのか?
計算式は、
より、
- 11,050,000円÷設定レバレッジ倍数
となることから
- 11,050,000円÷25倍
となり、答えは「442,000円」。
つまり、今回の条件の内容で「1,105万円」分のトレードを行うためには、必要証拠金として「44万2,000円」以上を準備する必要があります。
言い換えれば、「44万2,000円」の証拠金を準備できれば、レバレッジを使って、「1,105万円」という非常に大きな金額のトレードを行うことが可能になるわけですね。
必要証拠金の例題2
では、もう1つ例題で確認してみましょう。
条件設定
- 1ドル=115円75銭
- 取引数量=60枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=500倍
まず最初に、どれくらいの大きさの金額をトレードしているのか、計算して確認してみましょう。
トレードしている金額の計算方法は、
- 現在のレート×(取引数量×通貨数量)
だったので、
- 115.750円×(60枚×10,000通貨)
となり、答えは「69,450,000円」です。
つまり、この場合は「6,945万円」という大きさの金額をトレードしていることになります。
では、この「69,450,000円」分のトレードを行うための、必要証拠金はいくらか?
計算式は、
より、
- 69,450,000円÷設定レバレッジ倍数
となることから
- 69,450,000円÷500倍
となり、答えは「138,900円」。
つまり、今回の条件の内容で「6,945万円」分のトレードを行うためには、必要証拠金として「13万8,000円」以上を準備する必要があります。
言い換えれば、「13万8,000円」の証拠金を準備できれば、レバレッジを使って、「6,945万円」という非常に大きな金額のトレードを行うことが可能になるわけですね。
必要証拠金が大きくなる場合と、小さくなる場合
さて、ここまで必要証拠金について説明し、例題を2つ紹介してきました。
そこで、気がついたと思うのですが・・・。
- 例題1では「1,105万円」分のトレードを行うために「44万2,000円」の必要証拠金を準備。
- 例題2では「6,945万円」分のトレードを行うために「13万8,000円」の必要証拠金を準備。
トレードする金額が大きくなっているのに、必要証拠金が小さくなっている!?
このように、必要証拠金は、色々な条件によって増減するんです。
それは、必要証拠金の計算式の内容からも分かると思いますが、具体的な計算をしながら、「必要証拠金」の金額の増減を見ていきましょう。
まずは、前提条件を設定します。
前提条件
- 1ドル=110円00銭
- 取引数量=10枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=25倍
そして、この場合の必要証拠金は、
の計算式を用いて
- 110.000円×(10枚×10,000通貨)÷25倍
となり、
- 必要証拠金=440,000円
となります。
それでは、これを参考にしながら、以下の必要証拠金が増減する場合について、見ていきましょう!
その1:「現在のレート」が上昇したとき
まず1つ目が、現在のレートが「上昇」したとき、必要証拠金は増加します。
具体的には、1ドル110円だった状態から、1ドル120円に上昇した場合。
条件
- 1ドル=110円00銭 ⇒ 120円00銭
- 取引数量=10枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=25倍
この場合の必要証拠金を計算してみると、
- 120.000円×(10枚×10,000通貨)÷25倍
となり
- 必要証拠金=480,000円
になりました。
前提条件で計算したときの必要証拠金と比較すると、「440,000円」⇒「480,000円」となり、必要証拠金が増加しているのがわかりますね。
この場合、計算式「現在のレート×(取引数量×通貨数量)」から算出される、トレードしている金額が大きくなるため、それに伴って必要証拠金も増えたということです。
ちなみに、現在のレートから「下落」した場合は、当然ですが、逆の考え方となるため、必要証拠金は減少します。
その2:「取引数量」を増やしたとき
2つ目として、取引数量を増やしたときも、必要証拠金は増加します。
具体的には、10枚でトレードしていたところから、50枚に取引枚数を増やしたような場合。
前提条件
- 1ドル=110円00銭
- 取引数量=10枚 ⇒ 50枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=25倍
この場合の必要証拠金を計算してみると、
- 110.000円×(50枚×10,000通貨)÷25倍
となり
- 必要証拠金=2,200,000円
になりました。
前提条件で計算したときの必要証拠金と比較すると、「440,000円」⇒「2,200,000円」となり、必要証拠金が増加していますね。
この場合も上記の「現在のレート」が上昇した時と同様、計算式「現在のレート×(取引数量×通貨数量)」から算出される、トレードしている金額が大きくなるため、それに伴って必要証拠金も増えるということです。
ちなみに、取引数量を減らした場合は、逆の考え方となるため、当然ですが必要証拠金は減少します。
その3:「設定レバレッジ倍数」を大きくしたとき
3つ目は、「設定レバレッジ倍数」を大きくしたとき、必要証拠金は減少します。
具体的には、レバレッジ25倍までのFX会社から、レバレッジ500倍のFX会社に変更した場合。
前提条件
- 1ドル=110円00銭
- 取引数量=10枚
- 1枚=10,000通貨
- レバレッジ倍数=25倍 ⇒ 500倍
この場合の必要証拠金を計算してみると、
- 110.000円×(10枚×10,000通貨)÷500倍
となり
- 必要証拠金=2,2000円
になりました。
前提条件で計算したときの必要証拠金と比較すると、「440,000円」⇒「2,2000円」となり、必要証拠金が増加していますね。
この場合、必要証拠金を計算する式「現在のレート×(取引枚数×10,000通貨)÷設定レバレッジ倍数」のうち、分母となる「設定レバレッジ倍数」部分が大きくなるため、算出される必要証拠金は小さくなる、ということです。
最後に
いかがでしたでしょうか。必要証拠金のこと、少し理解が深まりましたか?
この必要証拠金についてですが、基本的にはFX会社のシステムで自動計算されるため、自力で計算する必要はありません。
ただ、この必要証拠金の仕組みを理解していないと、マズイことがあります。
それは「強制ロスカット」の発生。
強制ロスカット
自分が預け入れしている資金(証拠金)が、トレードに必要とされる必要証拠金より少なくなってしまった場合、強制的に損失額を確定をして、損失が大きくなりすぎるのを防いでくれる仕組み。
この強制ロスカットは、損失額を即座に確定させてしまう行為であり、絶対に避けるべきものです。
そのためには、必要証拠金が、どういう場合に増加し、どういう場合に減少するかを、しっかりと理解して、必要証拠金が大きくなりすぎて、強制ロスカットにならないようにする工夫が必要となります。(必要証拠金の増減は、上記「必要証拠金が大きくなる場合と、小さくなる場合」を参照)
ぜひ「必要証拠金」について理解して、自分のトレード戦略に上手く組み込んでみてくださいね!