小児矯正治療とは
- 歯の生え変わり時期(乳歯と永久歯が混ざっている時期)である6~14歳ごろに行う矯正治療。
- 小学校2年生くらいで行うⅠ期治療と、全ての歯が永久歯に生え変わった中学生くらいで行う仕上げのⅡ期治療がある。
小児矯正を開始する時期
- 小学校2年生あたりが良い。
- 小学生になったあたりで、まずは相談をしてみると良い。
- 治療が長期に及び、器具を装着したりする必要があるなど、負担がかかるため、本人が矯正する意思があるかどうかも重要。
どんな場合に矯正する必要があるのか
- 受け口。
- 出っ歯。
- 歯の生える位置が悪い。
- かみ合わせが悪い。
- 顎が左右にズレている。
小児矯正治療するメリット
- 歯の生え変わりや顎の成長途中に行うことで、効果的な治療、理想的な治療が可能。
- 歯を抜かずに矯正治療できる可能性が高まる。
- 早期に治療を開始することで、治療にかかる時間や身体の負担を減らすことができる。
小児矯正治療のデメリット
- 歯の生え変わりや、顎の骨の成長が完了するまで経過を観察しながら治療するため、治療期間が長期になる。
- 治療期間や器具の装着期間が長くなるため、虫歯になりやすい。
- 早期に矯正したからといって、その後、歯並びが完全に維持されるわけではなく、歯ぎしりや食いしばり、歯間などの影響で、歯並びが悪くなることもある。
- 器具装着に伴う本人の不快感や痛み。
費用はどれくらいか
- 50万円~100万円で、80万円くらいが目安。
- Ⅰ期治療では30万円程度、Ⅱ期治療では40万円程度。
治療期間はどれくらいか
- 1年くらいは器具を装着して生活する必要がある。
- 通院は1~2月に1回程度。
治療内容
- ワイヤー矯正やマウスピースによる矯正。(これらをおススメする歯科医が多い。)
歯科選びの注意点
- 矯正治療を専門に行っているか。(日本矯正歯科学会の認定医など。)
- 小児矯正の歯科か(永久歯の矯正とは異なるため)。
- 治療を開始する前の相談の段階で、費用や治療期間、抜歯の可能性等について十分に説明をしてくるか。
- 治療開始前に、必要な資料を整え、こちらが理解できるよう、治療方針を十分に説明してくれるか。
- 治療方針立案前の精密検査が、しっかりしているか。(歯型、口の写真、顔の写真、パノラマX線写真、頭部X線規格写真、顎関節の診査)
- しっかりとした治療計画を作成するために必要となるセファログラム(頭部X線規格写真)の撮影が可能か。(できればCTも。)
考察
小児矯正は、メリットもあればデメリットもあり、一概にどちらが良いのか判断できない。
まずは、現在の歯の状態から小児矯正の必要があるのかどうか、相談してみる必要がある。(相談や最初の検査までであれば、そこまで高額な金額は請求されないと思われる。)
矯正治療をするのであれば、日本矯正歯科学会の認定医がいる矯正歯科で治療させたい。ただ、自宅の近所には該当する矯正歯科が無いため、ある程度離れた町にある矯正歯科を選ぶしかない。
該当する歯科への通院には片道30分~40分の時間がかかるため、平日の通院はかなり難しく、土日を活用した通院にせざるを得ず、生活サイクルの見直しも必要になってくる可能性が高い。
- 治療が終わるまで長期間かかること。
- 治療においては様々な負担があり、子ども自身がストレスを感じること。
- 通院に時間がかかり、これまでの生活サイクルから変化させる必要があること。
- 必ずしも矯正治療が必要とは限らないこと。(治療しなかったとしても、生活に大きな影響がない可能性もあること。)
これらのことを考えると、親の意向より、まずは治療を受ける子ども意思が重要になってくると考えられる。
まずは目当ての歯科に相談に行き、検査を受けて、必要性や治療の内容、期間等について、子どもと一緒に歯科医から話を聞き、子ども自身の希望もしっかりと聞いたうえで、治療を行うかどうか判断していくと良いかもしれない。(子ども自身が嫌がっているなら、もっと歯並び等を気にする年齢になってから行っても良いかもしれない。)