サラリーマンこあらです。
今日は、トレード手法「スワップポイントさや取り」に興味がある方に向けて、「同一口座 両建て方式」のスワップポイントさや取り、について紹介します。
「同一口座 両建て方式」のスワップポイントさや取りとは
「同一口座 両建て方式」のスワップポイントさや取りとは、その名前のとおり、同一口座内で両建てを行い、為替変動の損益を相殺したうえで、スワップポイントによる利益のみを得る方法のことです。
- 1つのFX業者のみ利用
- 1つの取引口座のみ利用
- 1つの通貨ペアで売りと買いのポジションを保有
※「スワップポイントさや取り」の種類について知りたい方は「「スワップポイントさや取り」の種類」を参照。
「同一口座 両建て方式」の長所
「同一口座 両建て方式」の長所は、スワップポイントさや取りが持っている「重大なリスク」を排除することができる点です。
スワップポイントさや取りには、以下の3つの損失リスクが存在します。
- 売買時の損失リスク
- スワップポイントの変動リスク
- 強制ロスカットのリスク
そして「3.強制ロスカットのリスク」は、強制ロスカットの発生原因により、更に以下の2つに分けることができます。
- 「為替レート急変」による強制ロスカット
- 「スプレッド急変」による強制ロスカット
※各リスクについて詳しく知りたい場合は「「スワップポイントさや取り」のリスクとは」を参照。
「同一口座 両建て方式」の場合、これらのリスクの中の「為替レート急変」による強制ロスカットのリスクを、完全に排除することが可能です。
「為替レート急変」による強制ロスカットを簡単に説明すると、両建てしている買いと売りの口座(ポジション)のうち、含み損が発生している口座(ポジション)において、為替レートの急変により含み損が急激に大きくなり、必要証拠金を保つことができず、含み損を抱えていた口座(ポジション)が強制ロスカットされて、両建て状態が維持できなくなってしまうこと。
これを避けるためには、含み損が発生している口座(ポジション)において、随時資金の状況を把握し、必要に応じて追加で証拠金を移動するなど、こまめな資金管理が必要になります。
しかし、「同一口座 両建て方式」の場合、1つのFX業者の同一口座で買いと売りのポジションを保有しているため、口座内で含み損と含み益が自動的に相殺されてプラスマイナス ゼロとなり、証拠金が目減りしない。
そのため、どれだけ大きな値動きが発生しても、為替レートの変動による強制ロスカットの心配をする必要が無く、手間のかかる資金管理をする必要がありません。
つまり、「同一口座 両建て方式」でスワップポイントさや取りを行うことで、「為替レート急変」による強制ロスカットを排除し、本来であれば、上記の強制ロスカットを避けるために必要となる、
含み益の発生しているFX業者の口座から資金を抜き出し、
抜き出した資金が銀行口座等に反映されるのを待ち、
含み損を抱えているFX業者の口座に、資金を投入する
という、時間も、手間もかかる資金管理の作業を行う必要がありません。
最悪の場合、この資金管理の作業を行っている間に含み損が大きくなり、強制ロスカットになってしまう可能性もあることを考えると、この「同一口座 両建て方式」の長所は、かなり大きいです。
「同一口座 両建て方式」の短所
一方で、「同一口座 両建て方式」にも短所があります。それは、「収益性が低い」ということ。
- 他業者間 両建て方式=20円/日
- 同一口座 両建て方式=5円/日
上記は、通貨ペア「ドル円」の1万通貨あたりの1日のスワップポイント収益です。
スワップポイントはFX業者毎に異なるため、上記の数値はあくまでイメージを掴むための参考値ですが、一般的に「他業者間 両建て方式」に比べて、「同一口座 両建て方式」の方が収益性が低い傾向にあります。
「同一口座 両建て方式」が可能なFX業者
「同一口座 両建て方式」を行うためには、1つのFX業者の1つの通貨ペアにおいて、プラスのスワップポイントとマイナスのスワップポイントの差し引きが「プラス」になることが絶対条件です。
しかし、ほとんどのFX業者では、1つの通貨ペアで考えた場合、プラスのスワップポイントより、マイナスのスワップポイントの方が大きいです。そのため、同一口座で両建てを行っても、収支はマイナスになってしまいます。
そんな中、唯一、この「同一口座 両建て方式」を実行できるFX業者が「GemForex」。
- 買いスワップポイント=+2.13円
- 売りスワップポイント=+2.87円
これは、「GemForex」の2020年4月某日のドル円(1万通貨あたり)のスワップポイントです。このように、買いポジションの場合も、売りポジションの場合も、プラスに設定されている通貨ペアが存在します。
現時点では、「GemForex」以外にこのようなスワップポイントの設定となっている業者は確認できないため、「同一口座 両建て方式」を行う場合は、「GemForex」一択となってしまいます。
なお、業者(特に海外FX業者)によっては、両建て(アービトラージ)を禁止しているところもありますので、そのあたりも十分注意が必要です。(「GemForex」は、2021年1月時点で両建ては禁止されていません。)